漢方でわかる「脾(ひ)」の役割とは?心と体を支える消化・吸収の要をやさしく解説

漢方でわかる「脾(ひ)」の役割とは?心と体を支える消化・吸収の要をやさしく解説
岩本

岩本です。
「食後に眠くなる」「疲れやすい」「考えすぎてしまう」「胃腸の調子が安定しない」
このような不調を感じたことはありませんか?

病院では異常が見つからないものの、体も心もすっきりしない状態が続くことは少なくありません。
漢方では、こうした状態を五臓のバランスの乱れとして捉えます。その中でも、現代人に特に影響が出やすいのが「脾(ひ)」です。

脾は、食べたものをエネルギーに変え、全身に届ける重要な臓。
この記事では、漢方の視点から「脾」の働きや心との関係、脾をいたわる食材や生薬について、わかりやすく解説します。

結論からお伝えすると、脾を大切にすることは、体力・気力・感情の安定すべての土台を整えることにつながります。

脾が元気であれば、消化吸収がスムーズに行われ、必要なエネルギーがしっかり作られます。
反対に、脾が弱ると、疲労感や不安、考えすぎといった心身の不調が現れやすくなります。

漢方における「脾」は、西洋医学の脾臓とは少し意味が異なり、
胃腸を中心とした消化吸収機能全体を指します。

  • 飲食物を消化・吸収する
  • エネルギー(気)や血を作り出す
  • 全身に栄養を巡らせる
  • 筋肉や手足の力を保つ

脾は「後天の本(こうてんのほん)」とも呼ばれ、
生まれた後に得るエネルギーの源です。
つまり、毎日の食事と生活習慣が、脾の状態を大きく左右するのです。

漢方では、五臓それぞれに対応する感情があると考えられています。
脾に対応する感情は、「思(し)」=考えることです。

  • 物事を必要以上に考え込む
  • 心配事が頭から離れない
  • 不安感が強くなる
  • 集中力が続かない

逆に、考えすぎやストレスが続くと、脾の働きも低下しやすくなります。
「心の疲れが胃腸に出る」「食欲が落ちる」という経験は、
まさに脾と心が密接につながっている証拠といえるでしょう。

五味の中で、脾を養うとされるのは自然な甘味です。
ここでいう甘味とは、砂糖たっぷりのお菓子ではなく、
穀類や野菜が持つ、やさしい甘さを指します。

  • 米、もち米
  • かぼちゃ、さつまいも
  • にんじん
  • じゃがいも
  • 大豆、枝豆
  • 牛肉
  • 鶏肉
  • イワシ
  • タイ
  • ブリ
  • ウニ

これらは、消化にやさしく、脾の働きを穏やかに支えてくれます。
特にスープなど体を温める調理することが、脾をいたわるポイントです。

  • 人参(にんじん):気を補い、疲労回復を助ける
  • 大棗(なつめ):消化機能を高める、精神不安、不眠
  • 生姜(生姜):胃腸を温めて吐き気を止める
  • 甘草(かんぞう):全体の調和をとり、脾を補う
  • 小茴香(小茴香):冷えの胃痛、食欲不振

食材と一緒に生薬を入れることで脾を労る効果が一段とあがります。

特にスープやシチューなど体を温める調理法を選んでください。

改めてお伝えすると、脾は体と心のエネルギー工場です。
脾を整えることで、疲れにくく、考えすぎない、安定した心身を目指すことができます。

岩本

今日からできるアクション(1つだけ)です。
食事の仕度今日は無理。そんな時も脾をいたわる食材と生薬でスープだけ手作りしてみてください。